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2016年1月5日火曜日

マキワラ鍛錬の効果

「柳川昌弘 マキワラ」「マキワラ」「スタンド式マキワラ」といったマキワラに関する検索ワードで、当ブログにお越しになる方がチラホラといらっしゃいます。
以前、マキワラという記事でマキワラの効果について簡単に説明しましたが今回は『月刊空手道』がマキワラの特集をした際に柳川先生が寄稿された記事から抜粋してマキワラの効用とサンドバッグ・トレーニングとの違いについて改めて説明致します。


一、固定目標への打撃
割り合い狭い固定目標を十分に突く(蹴る)ことは、結局のところ移動目標をも突けるようになる、という事実に尽きる。古来より一流の武道家たちも、そのようにして技の正確さと威力を身につけたことが分かる(武道の技術はあくまで相手に合わすもので、相手の動きは自らの動きによって〔足腰〕相対的に規制するものである)。
それは一定の間合(近間、中間、遠間と)で、慎重かつ気持ちを込めて打突することで、打撃の威力だけでなくその微妙なコントロールが、極めて正確なものとなってくるからである。ことに両拳を交互に突く練習に至れば、腰や膝の微調整なくして正中線(正中面突き… ‐ビデオ「武道空手の理」などで紹介)を正しく突くことができないことも分かってくる。
空手の技術は野球の投手の投球技術と大変近いものがある。ボールのコントロールは結局のところ、足腰の使い方にすべてがかかってくるということである。優れたボールのコントロール術を体得すると、それが打者にとってコースやタイミングともに意外な虚をつくものとなるように、空手の突きも(急所を突く技術も含め)正確さがまた大きな威力の要素となるものであることを知らねばならない(ボクサーも全く同様である)。
ことにマキワラ突きは、無茶苦茶に突くと拳足や肩、手首などが痛いばかりかケガを伴うから、かえって慎重に突く習慣が身につくのも一種の利点であろう。
何はともあれ、特に初心者・中級者にとって、ライフル射撃の上達なくしてクレー射撃から入るような方法は、一部の天才を除いて大害あるのみである。なお、この間題を考える際、 一流ボクサー達は、実は例外なく天才児であることを承知しておいた方が良い(理由省略)。

二、真に合理的な突き方を体得する
マキワラの特長のうち最大の利点は「マキワラ突きによる感触がサンドバッグと比べて極めて人体に近い」ことがあげられる。これは逆説ではない。この点は、心ある偉大な空手家達が肌で感じていた重大な事実であり、「マキワラに命をかけるほどの鍛錬」を続ければ必ず自得することである。
これは理屈ではなかなか分かることではなく、経験がすべてとしか言いようがない。一言でいうとすれば、マキワラ突きが真に上達してくると、スピード(正しくは加速度というべきであろう)と受動筋力(体重を一瞬に乗せること…突きの威力は腕力ではないというのは、この点にその真意がある)で突くようになるからである。
それは、マキワラは突きが深くなるほど反発力を増すからで、それでも手応えを余り感じないような、重く、切れ味鋭い突きを身につけるにはそうした突き方をしなければ仕方がないといった状態に追い込まれるためである。こうした「重く、切れ味鋭い」突きは、マキワラを最大限に深く(本人の能力と努力により異なる)突くことで初めて体得できるものである。
単に深く突くのは「プッシュ」になる。その限界を極める努力が、結局、深い突きは、身体で加速しつつ腕を伸ばして(近間の場合は曲げたままでの受動筋力を使用する…肘を曲げて止めるような懸垂運動などが有力な鍛錬法となる。)一瞬に体重を乗せる(そうでなければプッシュに近くなり、手応えが増大する)技術に至るものである。

三、拳足の武器化
記事では紙数の都合で説明が省略されています。

四、音響効果
マキワラ突きによる打撃音は、一種の「励み」となり、持続するための意外なプラスとなる。さらに上達すると、突きの技量上昇とともに、その打撃音が「ドスン」から「ガツン」そして「カーン」「キーン」というような、段々と高い金属音として証明されてくる。このことはサンドバッグにもいえることであるが、やはり一定の突き方をある程度続けることが容易な、マキワラの利点といえよう。この事実は想像以上に大事な内容をもっているという事を付け加えておく。

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