タックルと相撲でも記しましたが打撃技に対してタックルは大変有効な技術です。
空手界でタックルの重要性が認識されたのは初期UFCで台頭したグレイシー柔術の影響ですが柳川先生は、それ以前からタックルの重要性を指摘されていました。
グレイシー・ショックに見舞われた当時の空手界ではタックルに対して「膝蹴りを合わせればいい」「上から肘を落とせばいい」など、極まる確率が低い、もしくは効果の疑わしいタックル対策を唱える空手家もいましたが柳川先生は「タックルほど受けにくい技はない」「踏んばっている相手を倒すことは難しいが突いた後、蹴った後の崩れた体勢ならば、投げた方が楽」と現実的な分析をされていました。
中段へのタックルは身体ごとぶつかる打撃技として効果がある。
相手の初動に合わせて左足を大きく踏み込みながら、肩口を上方に45度の角度で突き上げるようにしてぶちかます。
【下段タックル】
いわゆる双手刈りである。
相手の初動に合わせて膝を抜き重心を低く踏み込みながらタックルし相手の両足を抱え上体を浴びせるようにして転倒させる。
《参考》
宮本武蔵も体当たりを「身のあたり」と呼んで重視していたようです。
五輪書には、体当たりは敵を二間(3.6メートル)以上吹っ飛ばすほど強力であるから、よく鍛錬を重ねるべしと記しています。
五輪書には、体当たりは敵を二間(3.6メートル)以上吹っ飛ばすほど強力であるから、よく鍛錬を重ねるべしと記しています。
【身のあたりといふ事】
身のあたりは、敵のきわへ入りこみて、身にて敵にあたる心也。
少し我顔をそばめ、我左の肩を出し、敵のむねにあたる也。
あたる事、我身をいかほどもつよくなりあたる事、いきあふ拍子にて、はづむ心に入るべし。
此入る事、入りならひ得ては、敵二間も三間もはげのくほど、つよきもの也。
敵死入るほどもあたる也。
能々鍛錬あるべし。
『五輪書』(水之巻)より引用
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